おぼれそうなリリック

「おぼれそうなリリック」

ここにいるという感覚が私にはなくて、それを正確に誰にも伝えられなくてだから理解を求めたのだって本当は間違い。愚か者ゆえの痛み。傷なんて舐めたら治りますよ、でも唇は届かない背中だったりしたらどうしよう。いつだってこんな風に世界中で息をするところを探していて、どうして幸せなんて追求できるだろう。言葉が欲しいんじゃないの。ただちゃんと知っておきたいだけどこに行けばこの苦しさはなくなるのこの痛みは治まるのちゃんと呼吸ができるようになるの。ナミダ？演技とやらを覚えてしまった今、その価値を知る必要はない。キオク？足して消して色だって好きなようにつけられるね、確かめる術だって信じられなくなる。アイしてますよ、それが例えどんなに下らなくても。だって好きだし守りたいし大切なんだっていう感情はあるから。でもその感情が大切かどうかは分からないし殴ってやりたいくらいにどうしようもないものだってことも判ってるし悲しいのに苦しいのに怖いのに辛いのにそれ全部分かってるのにどこにも行けなくて何もしたくなくてでも悪いことだなんて思わないよ、だってここ以外いたいところなんて見つからない。許されるなんて思えない。ううんそうだね、許されたいなんてひどく傲慢だ。

2005年01月29日